kamikazeサンが来るという。
狙いは山鱸。

「1本も獲らずに終われませんよ!」

その気持ち分かる。
それが釣れずに終われば1年間を振り返る時、自分の釣りを成す重要なピースが欠けたような気持ちになるだろう。
家が近い自分は今年も散々通って、何とか満足の1本を手にし、すでに下山気分。
それでもkamikazeサンに付き合わない理由は無い。
ルアーケースの中身をサーフから山用へ入れ替え、再び川を上がる。

まだ暗いうち、川辺にもう完全に冬の恰好なベイト使い二人。
川を見ればかなりの減水。
瀬がむき出しになり、太く強い流れが限られた場所だけなっている。


これはもう終わってんじゃね?
正直そんな気持ちになる。

とにかく今日が最後。
二人で分かれて流れを撃っていく。

自分は今年当たってる“BMC”を、今年実は当たりの多い少し下流で流していく。
すると…ヌポン。
流しきった回収直前にそんな感じで吸い込まれた。
そしてその引きは…ヌメヌメヌメヌメ。
なんか違う。
全然跳ねない。


IMAG4728


…口を隠せば大体山鱸と変わらないハズの銀色の魚だった。
kamikazeサンにグリップを持つ手を震わせて、魚体をぼかしながら見せに行く。
鱸と間違えてくれただろうか?
あ、静止画で確認してやがる。

生臭くなったネットを洗い、こんな魚がのさばっているようじゃやはり山鱸は終わり…
と思った瞬間kamikazeサンが叫んだ!
「これは鱸!!」

見れば浅い背を魚が跳ねている。
ものすごい水音。
これは確かに山鱸、しかもデカそうだ。
「自分で掬いますから早く釣りましょう!時合ですよ!」
そう言ってくれたが、彼には絶対今年の山鱸を獲ってほしいのでネットを持って水辺に下りる。

流れに横たわる魚体。
時折最後の抵抗を見せ油断はできない。
…あ、最近ネットにルアーを掛けてばかりでタモ入れ不調だった。
そのことを思い出したがここは絶対にミスれない。
最大限に集中して銀の影目がけてネットを差しこんだ!

…よかった。うまく掬えた。
で、重っ!!


IMAG4731


念願の腹フラッシュを味わうkamikazeサン。
素晴らしい山鱸だった。



このあと一等地の流れをずっと撃たせてくれたが自分のルアーには反応無し。
ぬぬぬっ、後ろでタバコ吸って静かにプレッシャー掛けてきてやがる。

もう少し明るくなって…次に水面を割らせたのもまたkamikazeサンだった。
またデカい…というか長い。
あぁ…金色のヤツ。
それは掬ってやらない!と思ってたらベンダバールでうおりゃあ~!って抜き上げてた。


そして金色のソレが釣れるのはいよいよ時合終了の合図。
仲間に付き合ってこの日1日延長になった「山」もこれで本当に終わりか…。
kamikazeサン、最後によく釣ったよなぁ。さすが持ってる。

時計を見る。
あと10分だけ。
天気が悪く、周囲の暗さがまだ続いているから。

ルアーも替えてみる。
中古で買ったちゃんと名前も知らないK-TENの大きなミノー。
投げれば…おおっ!?他の水面系を遥かに超える飛距離で、本流の流れを大きくまたいでいった。
これは今まで攻めれてないトコに届いてる。
流れを横切らせ…珍しくジャークなんか入れてみると…グン!

喰った!
最後の最後で今まで無いパターン!
ギュギュギュ!と鋭い引きで…さらに、バショッ!水面を跳ねる!
鱸確定。
サイズはそれほどでもなさそうで一気に寄せる。
今度もうまくネットに入って…60も無いくらい。
だけど…体高と太さの素晴らしい山鱸。


IMAG4735



粘って良かった。
「山」の余韻のような1匹の姿を楽しむ。
kamikazeサンも2年続けてこの場所で二人一緒に釣れたことを喜んでくれた。
その後も惜しむように時間ぎりぎりまで流れに投げ続け…本当に今年の山が終了。


まだ釣れたね。
ああいう釣りで出たね。
期間限定の短い釣りは、答え合わせも短めに。
山を下りこれから先の季節、お互いが別々にどこでベイトロッドを振っているかは分かっている。

また来年、この山で。
また一緒に、長く、それはもうかなり長く、思い出してニヤニヤできる魚を。
あのまぶしい銀色の輝きを。
ベイト使いで良かったと、今日は我らが誰よりもそう思えた日。





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