山鱸を釣りに行く。
今シーズン「山」を上るのは5回目。
これまでアタリはわずか1回だけ。
今日ダメなら…もう今年の「山」はあきらめようかな…。
そんなつもりでいつも通り暗い内から投げ始める、いつも通りのリップルポッパー。
マズメに期待の釣りだけど、暗い中でアタリが出たことも何度だってある。
繰り返し流すが…何も無し。

投げ過ぎるのも良くないので少し川の時間を進める。
竿を置き15分休んでキャスト…また15分休んで…を繰り返す。
休んでいる間は冷たい地べたに寝転がって…。
毎年この時は、特に釣れてなかったりすると「何やってんだろな~」と自分でも思う。

少し明るくなってきて体を起こす。
朝マズメ。
ここからはもう終わりまで投げ通し。
立ち位置を変えながら、流れの中でも少しでも変化のある箇所を狙う。
ルアーは自分の経験では日が出てから実績のある“BMC”にチェンジ。
気分を高めてくれるようなボイル音は起こらず、「やはり今日もダメか…」1投毎に周りの景色は明るく、諦め色は濃くなっていく。


しかしそれは突然に。
ボシュアッ!
水面が割れた!
ラインはたるんでいて竿には何も伝わらない。
直後に2回3回と続けて水音が上がる。
すでに掛かっている?
巻取りが追いつくと…ズン!
魚と流れの合わさった重みが来た。
追いアワセを入れてのやり取り。
結構冷静?
「流れの中でも60クラスなら飛んで寄ってくる」
他のユーザーにそうインプレされる竿を味わおうとか思ってる。
しっかり掛かっている感触があるのでグイグイ寄せる。
確かに苦も無く寄ってくる。
竿は全然曲がり切っていない。
足元まで来て気付く。立ち位置変わっていない。
下流に引っ張り回されていない。
俺冷静。

しかしそこから焦った。
姿を見て慌てた。
まぁまぁ良いサイズやん!
さらに足元で跳ねる跳ねる!

もぉ飛ぶなー!
無理矢理ネットを差しこむが、案の定ルアーが引っ掛かってどーにもこーにも。
魚が暴れてフックがねじれる!
やばいー!


足浸かる。
手を突っ込む。

顎を掴んで持ち上げた。

手首も足首もびしょ濡れ。
ん?なんかお尻まで濡れてるよ。

カッコわる~。




IMAG4624


…でも魚はカッコよかった。


今年も会えた山鱸。
納得のスタイル。
銀色の体。
水面を割らせた満足感。


IMAG4621


水に浸け、ゆっくりと眺めて川に返した。



その後はもちろん2匹目を狙って投げ続けるも何も起こらず。
たった一度だけのチャンスだった。

やっと味わえた特別な時間の余韻に浸りながら川を下る。
川のどこの水際にも落ち鮎を狙う鳥が立っている。
「山」の終わりか始まりか?
人から聞く情報だともう終わりのような…でもまだ何度かあるはずの「爆発」までは起きていないような…。
今年もやはり惑わされる、他の釣りが手につかなくなる、釣れて尚あまりに魅力的なその存在なのである。




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