「寒い寒い!この下Tシャツ1枚なんやけど…」
彼は集合場所で震えていた。

急に冷え込んだ真夜中の川。
“kamikaze”サンと釣りをする。
彼が来るのはいつも突然。
今回連絡が来たのはついさっきの夕方だった。

それでも会うのが嬉しくてね。
なんといっても今回は“モンスターストリーム”を見てほしくてね。

「軽っ!」
それが持ってみての第一声だった。

「かなりの重さまで背負えそうですね」
「なかなか長さもいいじゃないですか」

エキスパートなベイト使いに褒められていい気分。

「川直サン、この竿知ってます?」
代わりに赤い竿を渡される。

…うん知ってる♪
こないだまで持ってたからね。
一緒に試投会行ったからね。
1日違いかそれくらいで二人して買ったからね。

あー目が痛い、耳が痛い。
早くその竿は仕舞っておくれ。

「この竿で“山”やれるかなぁ…」
ブツブツ言いながらkamikazeサンは川へ歩いていく。

まだ暗い内、まずは車での移動も入れながら下流の瀬をいくつか回るが…kamikazeサンに一度アタリがあっただけ。
朝マズメ前。
川を遡り、本命の山へ大きく移動。
2日前一人で来た時はまるでダメだった。今日はどうだろう?

水量は変わらず。
濁りは幾分とれている。

早速二人で並んで例年のように攻めていく。



IMAG4593


ちゃんとラインを捌いてドリフトするkamikazeサン。

ドリフトが分かってなくて、ただの「放置だだ流し」の自分。
それでも去年は一度だけ二人してアタリまくりの祭りがあった。

今日は…





「出ましたよ!」

やはり明るくなり始めたマズメ時、ノらなかったがkamikazeサンのリップルにアタリがあった。
さぁ…ここからパンッ!パンッ!と祭りに…



…ならなかった。
反応はその1回だけ。
自分には1度のアタリも無し。

日が昇り、仕事があるので先に撤収。
結局その後kamikazeサンに2度目のアタリは無かったそうだ。



悔しくて空を仰げば、そこには山鱸の白い腹のような鱗雲群が。




IMAG4588


高いなぁ。
遠いなぁ。

今年の山鱸は外してしまったのかも。
掴めない朧な雲に、そう感じさせられる秋の空かなっと。





にほんブログ村